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TVアニメ放映直前!緋弾のアリアAAについて考える4 ~遠山かなめ・原作ハーレム構成員は百合スピンオフでいかに振る舞うか?~

この文章は、2015秋クールにアニメが放映される『緋弾のアリアAA』という百合作品について私が考えたことをまとめたものです。ネタばれを気にせず書かれているので、ネタばれなしの紹介が読みたいという方はこちら
「緋弾のアリアAA」はこんな百合好きにおすすめ - death not visited
からどうぞ。

また、『緋弾のアリアAA』の放送情報は公式サイトで確認してください。
ON AIR|TVアニメ『緋弾のアリアAA』公式サイト
10月1日現在、TV放送のほか、ニコニコ動画およびdアニメストアでの公式無料配信がアナウンスされています。


###以上、前置き###
志乃と麗・ハーレム内カップリングの誘惑←前の話 次の話→未定

原作とスピンオフ

今回の中心は、前回もすこし述べた、「対遠山かなめ編」のラスボス・遠山かなめである。彼女の話を通して、『緋弾のアリア』のスピンオフとしての『緋弾のアリアAA』の位置づけについても述べていきたい。
緋弾のアリアAA』は、原作同様、少年向け漫画・ライトノベルのバトルものにありがちな、大きな敵との戦いと仲間の日常を繰り返すストーリー構成をとっている。そして、『緋弾のアリアAA』のうちでも、特に長い戦いは、アニメでクライマックスまで描かれると思われる「対夾竹桃編」と、最新の「対遠山かなめ編」であろう。
そもそも、『緋弾のアリアAA』において、間宮あかりをはじめとした中心人物たちは、『緋弾のアリア』の登場人物たちの1つ年下に設定されている。そのため、主人公あかりの戦姉妹であるアリアが、あかりチーム(イコールあかりハーレム)全体を気にかける以外の、原作キャラとスピンオフキャラの関わり合いは、『緋弾のアリアAA』のみを読んだとしても楽しめる程度に限定されている。たとえば、佐々木志乃は原作メインヒロインのひとりである星伽白雪の戦姉妹として設定されているが、白雪は『緋弾のアリアAA』では、ほとんど志乃を単独で指導するエピソードにしか登場しない。
とはいえ、『緋弾のアリアAA』と『緋弾のアリア』の時間軸は同じである。普段は関わり合いをほとんど感じさせないなかでも、原作といくらか繋がったエピソードが、先に挙げた「対夾竹桃編」と「対遠山かなめ編」である。ただし、『緋弾のアリアAA』では、単純に原作のエピソードを裏から描くだけのスピンオフとはなっていない。
「対夾竹桃編」は、原作『緋弾のアリア』の「対ジャンヌ編」と同時進行したエピソードである。原作の敵・ジャンヌと夾竹桃は、同じ組織に所属する者同士であったが、彼女たちのターゲットはそれぞれ異なっていた。ジャンヌは原作のヒロインの誘拐を目的としていたが、夾竹桃の目的は、間宮あかりの持つ間宮家の秘術を手に入れることであった。そのため、原作と同時進行し、アリアがあかりを激励するエピソードが存在するものの、「対夾竹桃編」において原作の影響はまったくないと言ってもよいだろう。夾竹桃はそのキャラクターの濃さから、『緋弾のアリアAA』屈指の人気を誇っているが、ここでは軽く触れるだけにとどめておき、次に進むことにしよう。

ブラコン妹と百合ハーレム

「対遠山かなめ編」で敵となる遠山かなめは、原作主人公・遠山キンジの妹で、あかりらと同じ高校1年生である。学年途中から転校してきた彼女が、兄を自分の陣営に引き入れるべく、キンジの周りの女たち(アリアを含む原作ハーレムメンバー)を蹴散らし、キンジに近づく――というのが原作のかなめエピソードの導入である。あかり視点からではあるものの、このエピソードは『緋弾のアリアAA』でも描かれており、VII巻において、『緋弾のアリアAA』は原作と敵を共有することになった。
このエピソードの詳細を聞くと、だいたいの百合好きが一歩どころか百万歩ほどひいてしまうであろうことは想像に難くない。しかし、ここで、収録されている全話が「対遠山かなめ編」であるVIII巻を見てみると、全1025コマのうち、原作男主人公が関わったのは18コマ、約1.7%であった。たったの2%弱、という登場頻度なのである。
じっさい、「対遠山かなめ編」の展開は、原作とかなり異なっている。原作では、兄にまとわりついたり、兄の周りの女を撃破したりするかなめの姿が多く描かれているが、『緋弾のアリアAA』でのかなめは、あかりの女人望に類した「人工女人望」を持っているとされる。彼女はこの能力を用いて自身のまわりの女生徒を仲間にしていこうと画策するが、その障害となったのが、同学年でもとくに強い絆で結ばれているあかりハーレム、というわけだった。あかりの周囲の人間関係を攪乱せんとするかなめだが、あかりハーレムの現メンバーのみならず、かつてあかりと敵対したことのある夾竹桃をはじめとする登場人物も再登場し、かなめを追い詰めていく。
言葉にすれば、「仲間の取り合い」が中心となる、なんの変哲もないバトル展開なのだが――
(続きます)