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百度百科の「百合动画」項目がおもしろかったので和訳してみた(前編:百合ジャンルについて)

以下、すべて百合动画_百度百科からの和訳です。
後編:百合作品リストに続きます。

百合動画とは

「百合」は女の子と女の子の間の恋愛を指す隠語であり、レズビアンと同意である。その語源には多くの説がある。もっとも一般的なのは、1971年に日本のゲイ雑誌『薔薇族』の編集長伊藤文学が、「百合族」を「薔薇族」の反対語として提唱したことから始まるとする説だろう。その後、日活ロマンポルノ出版社が制作した『百合族』シリーズの書籍により、百合は固有名詞として広まった*1*2

中国語名称 百合動画(アニメ・コミック・ゲーム・小説領域における用語) 出所 薔薇族
外国語名称 ゆりアニメ*3 提唱人 伊藤文学
定義 女性の間における恋愛を指す隠語 英語名 Lesbian Animation*4

歴史

語源

伊藤文学が「百合族」という単語を選択した背景としては、日本の作家中条百合子宮本百合子)(1899-1951)とロシア文学翻訳家湯浅芳子(1896-1991)が1924年から1932年にかけて同居した際に、彼女たちが「精神的に」同性愛のような親密な関係にあったとする説が存在する*5

関連キーワード

日本語表記:百合
ひらがな表記:ゆり
ローマ字表記:Yuri

  • くだもの(日本での用語)

日本では、男性同士の恋愛を好む者を「やおい」ともいい、別称「やさい」とも言う。「やさい」の反対語が「くだもの」であることから。
ガールズラブと美少女同士が結ぶ「純潔」*6な友情の間に存在する感情。カップルのうちの一人はお姉様役である。

  • 百合っプル*7

百合関係にある恋人同士の略称、百合かつバカップルである恋人たちを指すこともある。女子同士のラブラブな様子を表わす用語。

  • S小説(エス小説)

大正から昭和初期にかけて流行した少女小説の一種。SはSister(姉妹)のイニシャルであり、姉妹のように親しい少女たちの精神的交流を指す。代表的な作家は吉屋信子。日本の近代文豪、川端康成は女性感情を描写することに長けており、S小説『乙女の港』『万葉姉妹』を著わしている。今野緒雪の『マリア様がみてる』シリーズは、現代におけるS小説の復活とされている。また、その物語の構造と背景は川端『少女の港』との関連性が深い。*8

変遷

日活ロマンポルノ出版の「レズもの」の主な消費者は男性であり、作者も男性であった。総じて、「レズもの」は男性の欲望を具現化したものであった。このジャンルが女性の欲望の対象となったのは、2000年以降のことである。
百合は今野緒雪ライトノベルマリア様がみてる』を起源として流行し、勢力がテレビ、テレビドラマ*9に広がったことで人気が高まった。いわゆる百合は、女性の欲望を主軸とするものになったため、女性の心理描写を重視し、女学生間の淡い友情ないしは恋情を指す。2003年に雑誌『百合姉妹』が創刊された。この際には、性愛にたいしてプラトニックな恋愛の要素がさらに強調された。
しかし、Hard百合*10やH百合といった単語は未だに存在しており、完全に消えたわけではない。これは、百合が時代の変化と共に進化と細分化を続けているからである。変化し続ける流れのひとつとして、ACG文化*11の隆盛に伴い、百合という単語ははACGにおける女性の同性愛やこれを思わせる描写を指すようになっている。百合という言葉が現実のレズビアンを指す場合はいまやますます少なくなっている。その後、日本においては、女性の同性愛を指す際には「レズ」という言葉が多用されている。ACG文化がグローバリゼーションとともに全世界に広がった現在、百合要素も又、動画・ゲーム作品の売り上げを保証する要素の一つとなっている。百合という言葉はACGを好む人々が熟知する言葉と成り、ジャンルの内情や特色も地域によって異なっている。
百合という言葉への見方もまた、地域からくる区別のため様々に異なる。日本では、一般的に百合とGL(Girls' Love*12)の大きな違いはないとされる。しかし、中国大陸と台湾においては、百合とGLの二語には大きな違いがあるとされる。ただし、文化交流の影響を受けて、日本の百合愛好者もまた、百合へ清純な印象を持つようになってきている。
2005年に、雑誌『百合姉妹』の後継として、一迅社は『百合姫』を創刊した。雑誌の内容は恋愛を主としており、性愛をも忌避しない姿勢をとっている。このことから、なにを「百合」と呼ぶのかは未だに定説がないと言えるだろう*13

百合内でのレベル分け

百合とGirl's Love(略称:GL)の区別

百合という言葉の定義は論争の的である。そして、百合と対義語でも、また類義語でもあるGLとの区別もまた曖昧模糊である。ただし、百合とGLは実質上完全に同一の概念である。
日本では、百合とGLの定義を明確に区別せず、語感のみによって使い分けるのが一般的である。日本における百合の歴史を鑑みれば、この言葉は本来、性愛と精神的な恋愛の双方を含んでいた。しかし、時間が進むにつれ、香織派*14のように、性愛を含まない百合の純粋さ・純潔さを重視する定義も出現した。一方で、語源の関係から、Boy's Loveの同義語であるGirl's Loveもまた猥褻性*15が低いとして、GLという言葉を用いる者もいる*16
現在の日本においては、同性愛者にまつわる性表現を好まない者もいる。そのため、性的な関係へ発展し、これを含む百合を「ガチ百合」、性表現を含まない百合を「ソフト百合」とする向きもある(ただし、このような区分は「同性愛者への差別」とも指摘されている)*17
中国大陸と台湾では、百合を純潔で精神的なもの、GLを肉体関係を結ぶ愛だとするBBSが存在する。中国では、百合の定義が独自の進化を遂げているとみられる。
強調したいのは、本来、百合=GL。この二語の定義は同じだということである。
ただし、日本の語源の発展を見ると、百合の分類は、さらに混乱しやすい概念を含んでいる。GLと女性同性愛への同一視である。

百合の分類

百合ジャンル作品は白百合、黄百合、紅百合、青百合などに分類できる。白百合は非常に純潔な百合である。いっぽうで、黄百合は成人向け要素を含む*18。同様に、紅百合と青百合は相反するものであり、紅百合はハッピーエンド、青百合は悲劇的な終わりを迎える百合を指す。*19

LES

以下、純潔度の標準を述べる。
百合とGLは一般的に、フィクション(ACGもしくは文学作品)*20における女性観の恋愛愛情や、曖昧な意味を持つ友情(最終的に恋愛愛情へと発展する可能性がある)を指す。
百合は女性間の恋愛感情を指す。しかし、恋愛を強調したものではない。またGL同様俗称である(友情からはじまり恋愛に終わる関係性もまた百合と言える)。
GLも女性間の恋愛感情を指すものである*21(BLと似て、GLも受け攻めの区分が可能であり、受け攻めの逆転も存在する。ここでの受け攻めはTP*22の区分とは異なる)。
LESは現実でのレズビアンを指し、タチ・フェムの区分がある。
TはLES関係において比較的中性的な側の女性のことであり、Tom boyの略。どちらかといえば能動的な側を指す。
PはLES関係において比較的女性的な側の女性のことであり、Pretty girlの略。どちらかといえば受動的な側を指す。
HはPとTのどちらにも属さない者であり、確固たる特徴はない。相手によって能動的にも受動的にもなれる存在を指す。*23

百合とGL

厳密に言えば、百合とGLの二語はどちらも女性の同性愛もしくは女性同士の関係に対する想像から生まれたものである。これらは、文学やアニメ・漫画作品を基に発展してきた。現実では、女性の同性愛については、レズビアンや女同志*24といった言葉が社会学ジェンダーの視点からも相応しい呼称であろう。*25

百合と偽百合

「偽百合」の定義は多いが、主なものは以下の3つである。
1. 弱気な男主人公がヒロイン(数は問わない)に女性と間違われ、好かれる場合。代表作は「処女はお姉さまに恋してる」。2. 男主人公に女装癖があり、ヒロイン(数は問わない)に女性と間違われ、好かれる場合。代表作は「まりあ†ほりっく」。3. 男主人公が様々な原因で女性に変身し、ヒロインに好かれる場合。代表作は「かしまし~ガール・ミーツ・ガール~」*26*27

社会現象

女性は男性より生まれつき同性を愛する傾向が強いと主張する心理学者もいる。一方、同性愛への態度については、異性愛者の男性はしばしば女性同性愛作品を好む。このような現象については未だ確立された説明が存在しない。類似の現象は、女性の男性同性愛への偏愛(アニメ・漫画でBLとされるジャンルのこと)にも見受けられる。BL愛好者は腐女子とも呼ばれる。一般的に見られる解釈としては、BLは女性の消費者に二人のイケメンを見せられるため、女性に好かれやすいとするものがある。この解釈は男性の女性愛作品への嗜好にも応用できるかもしれない。
そのため、男性をターゲットとしたアニメ・漫画作品に百合要素を加えることは、より多くのファンを惹きつける助けともなる。メディアミックスの一環として、ますます多くのアニメ・漫画作品が一定の百合要素を含むようになっている*28

*1:原注: 百合 (ジャンル) - Wikipediaより、2015年5月9日閲覧。

*2:訳注:中国語版Wikpedia 百合 (文化) - 维基百科,自由的百科全书ページからの引用であるとされるが、Wikipedeaの該当記事では「因日活浪漫情色(日活ロマンポルノ)电影《水手服 百合族》(セーラー服 百合族)而广为流传,渐成固定用语。」と、日活ロマンポルノ製作の映画『セーラー服百合族』と正しい説明がなされている。

*3:訳注:原文ママ

*4:訳注:原文ママ

*5:原注: 百合とは (ユリとは) [単語記事] - ニコニコ大百科より、2015年5月9日閲覧。

*6:訳注:「純潔」「純粋」といった言葉が日本同様のニュアンスで使われているかどうかはよくわからない。この二語は本訳では原文からの直訳とした。

*7:訳注:原文ママ

*8:原注:エス (文化) - Wikipediaより、2015年5月9日閲覧。

*9:訳注:原文は「电视、广播剧(ドラマ)」。テレビとテレビドラマが区別されているのは、前者がテレビアニメを指しているからか?

*10:訳注:原文ママ

*11:訳注:ACGはAnime, Comic, Gameの略語。ここにNovelを加えてACGNとする場合もある。中国語圏インターネットにおいてオタク文化とほぼ同義。

*12:訳注:原文ママ

*13:原注: 百合とは (ユリとは) [単語記事] - ニコニコ大百科より、2015年5月9日閲覧。

*14:訳注:おそらく中里一の個人サークル『西在家香織派』を指すもの。詳しくは香織派の謎および現代百合の基礎知識を参照されたし。

*15:訳注:原文は「猥亵性」。「エッチさ」くらいの意味だろう。

*16:原注:GirlsLoveFestival-WEB(少女恋愛(百合/ガールズラブ)・女の子同士カップリング作品ONLY)より、2015年5月9日閲覧。

*17:原注: 百合とは (ユリとは) [単語記事] - ニコニコ大百科より、2015年5月9日閲覧。

*18:訳注:中国では、黄色は日本でのピンク色のようなイメージを含んでいる。たとえば、中国における「黄色电影」が日本における「ピンク映画」だといえる。

*19:原注: 百合 (ジャンル) - Wikipediaより、2015年5月9日閲覧。

*20:訳注:太字は原文ママ

*21:訳注:本文は「GL也指女性之间的爱情,也同时参与性」。参与性の部分は意味が不明だったため省略した。

*22:訳注:本文で後述されるように、TPとタチ・フェムは完全には対応しない模様。

*23:原注: 百合 (ジャンル) - Wikipediaより、2015年5月9日閲覧。

*24:訳注:「女同志」の部分は原文ママ。「同志」は、中国では元は社会主義運動家が仲間を呼ぶために使う言葉であったが、現在は広く二人称としても用いられている。同性愛に関しては、台湾で同性愛者間での二人称として使われたのをきっかけに、中国大陸にも影響が及んでいる。

*25:原注: 百合 (ジャンル) - Wikipediaより、2015年5月9日閲覧。

*26:原注: 百合とは (ユリとは) [単語記事] - ニコニコ大百科より、2015年5月9日閲覧。

*27:訳注:わかりやすくするために番号をつけた。

*28:原注: 百合とは (ユリとは) [単語記事] - ニコニコ大百科より、2015年5月9日閲覧。