20201026-20201031

活字

  • 「なりゆき斎王の入内」最終9巻まで。叔父が退場して糖度が上がるかと思いきや、ヒロイン-ヒーローの相棒度が糖度を超す勢いで増したため、子作り+入籍で幕を閉じたのに恋愛ものらしさは最後まで薄い作品だった。だがそれがよい。どんな部下よりもあなたが有能だ、あなたと一緒なら私はなんでもできるって言ってくれるヒーローとの関係性、これ以上うれしいものってなかなかないよね。叔父上は信頼できる相手を作れってヒーローに言うけど、けっきょくヒロインを一番信頼できる相手として選んだのは笑うところかもしれない。
  • 心に残った台詞は、3巻の「どうしてそんなふうに、私の気持ちを無視してなんでも思いこんじゃうの?私によかれとか悪かれとか、本当にそう思っているのなら私に訊いて!どこに居なきゃとか、どうしなければならないとか、それは確かにあなたが決めることかもしれないけれど、私がどこに居たいかとか、私がどうしたいのかは全部私が決めることよ。それだけは東宮様だろうが、いいえっ!たとえ天子様でも命令は出来ないんだから!」。ヒロインの啖呵、こんなに過不足なく気持ちを台詞に落とせるなんてすばらしすぎる。そして5巻の「人は男と女の間からしか産まれない。どんな人間にも父がいて母がいる。身分がどうであろうと地位がなんであろうと、人はだれかの子であることから決して逃れられない」。これ、一見子供に向けてのキツい台詞なんだけど、ヒーローから、父親としての義務を果たさない男への言葉なので、少女小説だとこんなこともできるのか!とめちゃくちゃ感心してしまった。
  • で、左近衛大将といい三条女御といい、敵役(悪役というほど悪くはない)の人々が競い甲斐のある相手であって、味方も含め、登場人物がそれぞれまったく異なる形で捻ているのも楽しい。ほんの一捻りくらいかもしれないけれど、その捻りが圧倒的な実在感を加えているんだよね。一方で、故人の榠子については、戦うことも出来ないし、いくら悪女だと言われても、死人に口なしだしなあ、と思ってしまい、同情したくなってしまう。榠子の内心はまったくわからないままなんですよねーー。しかし、万結さんが最初に出てきたときは、絶対に女装男子だと思ったんだけどなあ。拾い落としているところがまだありそうなので、また読み返す予定。小田菜摘先生作品はこれを機にどんどん読み進めていきたい。
  • 「あやかしとおばんざい」2巻まで。京都✕泉鏡花モチーフのごはん✕器✕妖怪もの。ごはん✕妖怪(あと京都)ものって、これまで星の数書かれてきたんだろうけど、ちゃんと読んだのははじめてかもしれない。でもまあ、ほぼ長野まゆみですよね。東京を舞台にして京都みたいな雰囲気出せる長野先生すごくない?という話である。特に花送が出てくるたびに長野まゆみ濃度がめちゃくちゃ高くなるので笑ってしまう。いもねぎ美味しそーう。あと、2巻のお父さんのホームページ(文字通りホームページ!)の下りは、読んでいて胃がキリキリした。みんなさんも子供の情報をうかつにインターネットに載せないようにしようね……いや、ここんちのお父さんは黒歴史ともなんとも思ってないみたいだけども……。
  • 「からくさ図書館来客簿」1巻。「あやかしとおばんざい」と世界観を同一にする先行シリーズ。架空の本がたくさん出てきて、図書館が舞台ということもあり、「あやかし〜」よりも本好きをターゲットにしてる感じが強い。いや、中高と文学部だった人間にはもう小野篁泉鏡花知名度はどっちが高いんだかよくわかんないんですけど……。時子様と篁のやりとりにニヤニヤできるってわけでもないし、篁の変態行動は面白くないし、「あやかし〜」のほうが好みかなあ。

漫画

  • セール時に積んだ「月曜日の空飛ぶオレンジ」全2巻を読む。ほとんど意味わかんなかったのてもっかい読むね。
  • ところで「mono」の2巻はいつですか……。
  • なんなら「ゆるキャン△」より好きな「mono」。ハルというあだ名の人間は薄情。わかる……わかるよぉ……。

映像

youtu.be

  • これ、すっげーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーよかったでござる。
  • 彼氏さんに見せたら急に百合を頭から浴びせられた人みたいになってて笑った。みなさんも急に百合を頭から浴びたければ見ましょう。高橋李依上田麗奈だしな!間違いない!
  • そういえば滑り込みで映画館で見た「BURN THE WITCH」の感想書いてなかったので書いておくと、まあ、これもすっげーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーよかったでござる。
  • BLEACH大好き(元)女子中学生としてはスクリーンで久保帯人デザインの女子コンビが久保帯人語喋りつつ動き回ってるのを見るだけでも大満足。バトルもかっこいいし、ちょい百合あるし、リッケンバッカー連呼さんは恥ずかしいし、ドラゴンはかわいいし、オスシちゃんもかわいいし、素晴らしいね……。なにより自分は久保帯人のギャグ顔が大好きだったと知る。あののえるちゃんの下まつげバッサバサの三白眼か可愛くて可愛くて……。尸魂界・西梢局って出てきたところと「BURN THE WITCH」から「BLEACH」が浮かび上がるところは知ってたけど興奮したわ〜〜〜〜〜〜。その後コミックスももちろんばっちり買いました。

ゲーム

  • ナナオンのアップデートがきて、Android11で立ち上がるようになったけど引き継ぎがうまく行かない。ぐんにょり。

V

  • 推しの新衣装ありがたい。殺される覚悟はできている。
  • まーた推しのゲーム配信見て軽率にゲームを買いそうになったけど、思った以上にプレイが早くてどう考えても追いつかないので買わずに済んだ。ありがとう推し。
  • セインツロウって、てっきりセキロの仲間かなんかだと……。

インターネット

  • 東バビ再アニメ化、Xのラジオドラマを池袋のK BOOKSで買い揃えた勢としてもな……と思ったけど特に言うことなかったわ。キャラデザがあんなんなのもわかる話だし、公式サイトのデザインは文句なしだし、あとはXを終わらせてくれれば何も言うことないです。星史郎さんの肩幅?いろんな意味で初見さんに優しくていいんじゃないてしょうか……。
  • それにしても同級生といいクーロンズゲートといいリメイクもののキャラデザ問題が目につく昨今、私も無闇矢鱈に文句言いたい気持ちにすこしなる。言わない。言うことがない。

20201019-20201025

活字

  • ジョゼと虎と魚たち」をついに読む。表題作以外もめちゃくちゃ面白くて、「こういう社会人百合が読みたい……!」と唸ってしまう。「うすうす知ってた」は今でいう「喪女」の話で共感しきりだったし、「雪の降る前に」は長野まゆみみたいな雰囲気の黄昏流星群(?!)で一発で大好きになった。男たちに気を遣わない女しか出てこないので楽しい。
  • 「なりゆき斎王の入内」3巻まで。1巻の時点ではどうかと思ったが、3巻で作者の筆がこなれて非常に読みやすくなった。話自体も嫌味でない程度の謎を含んでいて読みやすい。しかし、ヒロイン-ヒーローの線にしろ、ヒロイン-叔父の線にしろ、甘さはあるが恋愛感が少ないのは不思議だ。少女小説の美麗な白黒イラストをたっぷり堪能してうっとりする。
  • 「公女殿下の家庭教師」3巻まで。シスプリ……いや公野GODはやはりGODなのだとの思いを新たにする。慕ってくる年下の少女を描くことってそこまで難しくないと思うのだが、読んでいて、「健気なんだな」「可愛いんだな」以上の感想を持てずに終わった。主人公の性格も謙虚というか嫌味ったらしい。続きは多分読まないが、最終的に幼馴染エンドに終わりそうな気がする。
  • 「キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦」2巻まで。細音啓先生なので間違いはない。ファンタジーというよりSFっぽい世界でのロミオとジュリエットなんだが、サブキャラの影の薄さがちょうどよいのでサクサク読める。ネーミングのSFらしさも、言葉選びに敏感な細音先生らしくて良。ミスミス隊長は人気なんだろな……。

漫画

  • 「ぐるぐるてくてく」の最終4巻を購入。コロナと終了のタイミングがなんだかぴったり合ってしまった。第4巻は、まさかまさかの愛媛県西条市への遠征回が入り、旅行先での散歩もありか?!とテンションが最高潮になっただけに悲しい。キャラも増えてきたのにね……。
  • 「おりたたぶ」の新刊も買わなければいけない。
  • 「うめともものふつうの暮らし」は11月30日発売だがKindleで同日に発売になるかどうかは謎。
  • 「上伊那ぼたん」の2巻は12月18日発売なのでとてもとてもとてもたのしみ。
  • Prime Readingで無料になっていた「いつかティファニーで朝食を」の1, 2巻を読むが、面白くない。主人公たちの悩み自体には共感できるが、1話で解決されてしまうので、どうしても描写が薄っぺらいし、「解決されるために用意された悩み」を登場人物たちに押し付けられているようで楽しくない。

ゲーム

  • FGOのぐだぐだイベ(邪馬台国)が終わり、クリスマス2019復刻が始まる。邪馬台国はCVゆかりんがすべて脳内再生された以外はあんまりおもしろくなかったが、ガチャ10連だけして、イベ礼装をある程度手に入れたので良。ドロップする礼装も2枚凸できたので良。クリスマス2019はやってないやつ。メリー・ポピンズモチーフなんで、ストーリー楽しみだが、今の所アルテラサンタほどのよさはないな……。礼装目当てにブラダマンテがピックアップされているときにまたもや10連だけする予定。
  • ポケGO、ガラルポニータかわいいが、今更再開する気にもなれず。
  • Pixel5にしたらAndroid11になり、ナナオンが立ち上がらなくなる。代わりのログインゲーとしてプロジェクトセカイを入れてみるが、ジェバンニP曲が追加されるわけもなく、ログボをもらうだけとなる。
  • ひさびさにSwitch Liteの充電を入れるが、ゲームをするわけでもない。雰囲気がよさそうなゲームなどは、Steamで英語版やりたいとなってしまうので、日本語版を買う気になれないのだ。Good Job!だけ買おうか迷うが買わない。

V

  • 推しのボタンをついに作り始める。最初は二次創作のための資料集めのばずだったが……。
  • ボタンを作っているうちに、「にじさんじアクターズ」的ゲームを誰かが作ってくれないかとぐるぐる考える。絵を描く練習からするなら、実は自宅には手つかずの塗り絵の教本が何冊かあるのだ。
  • だれでもVtuber(64bit/無料版) - ファル红・茶/Falhong-cha - BOOTHを試すが、手元にマイクがないため口パクがうまく行かない。でも、キャラクターなんとか機との相性は予想通りとてもいい。

インターネット

  • シェアハウスを始めた理由の一つは「モテたかったから」|夜のこと | 女子SPA!読んで、い、泉和良ーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!と叫びながら「エレGY」を引っ張り出した。泉和良の小説作品はすべて読みやすくて最高だと思っているので、その、なんだ、うん……。
  • ヘタリア再始動での「自分はあのときからよくないと思ってました」的な意見にもやもやする。おめーらポーランドボールとか見たことないんか??萌えがついただけでそんなに悪いんか??とはいえ、そういう意見と再始動を喜ぶ意見が完全に棲み分け出来てるのはよいことだとも思うし、ヘタリア第1次ブームの頃とは比べ物にならないほど外国の情報が入ってくる今、ヘタリアを再始動しても楽しいものにはならなさそうだなとも思う。ただし、どの国も等しく扱いにくくなっているだろうから、作者が持て余してキャラの出番が少なくなる事態は避けられそう(それこそポーランドとかね)。自分はといえば、月日を経て、日丸屋秀和への信用がなくなっているのでたぶん触れないだろうな。
  • 米英、「過去の自分しか見てくれない受けを好きになってしまった攻め」、もっと単純化して言えば、好きな人と別人に押し倒される受け、という核だけ十二分に受け取ったのでべつにこれ以上公式からなにか言われなくてもいいです。同人女の感情を読んで、「神は公式だけっしょ」という感想が出てくるのは幸せだ。

22/7がアニメ化してよかった

(22/7の話がはじまるまで無駄話が3000字弱続く)

好きな作品のアニメ化を思い出してみる

幸腹グラフィティ(2015年)
艦隊これくしょん -艦これ-(2015年)
緋弾のアリアAA(2015年)

2015年は、好きな作品が3作もアニメ化された年として記憶されている。
原作メディアはそれぞれゲーム、オリジナルコミック、ライトノベルのスピンオフコミックのちライトノベル化と異なる。

幸腹グラフィティのアニメ化はまずまずの成功だったと思う。制作会社はシャフトで、音楽の担当はコトリンゴ。食べ物に関する贅沢な描写。『衛宮さんちの今日のごはん』を思い出してもらうと雰囲気がわかりやすいかもしれない。一方で、料理研修が再現料理ブロガーなのはさておいても、BD・DVDの初回特典の料理カードは、番宣担当による上手と下手の間を絶妙に泳ぐ料理の写真(料理と写真)が貼り付けられていて、微笑を誘った。
でも、クオリティの高いアニメそのものよりも、私にはなんといってもEDが主人公リョウと親友きりんのデュエットであることがうれしかった。名義が「リョウときりん」でカップリングみたいだし、CDのカップリング2曲(劇中挿入歌)も勿論ふたりのデュエット!きらら系原作にありがちな特徴として、原作からして主人公はいろいろな女性にいろいろな方向でモテでいたので、これは本当に望外の喜びだった。シャフトの作る百合アニメは、固定カップリングしか愛せないカプ厨にやさしい、気がする*1
思い出すのは、松来未祐さんのことだ。きりん役・大亀あすかさんのファンの私は、2015年春に行われたアニメのイベントに参加する僥倖を得た。出演者は佐藤利奈さん、小松未可子さん、井口裕香さん、MC役の野中藍さん、松来未祐さんという豪華な布陣だった。大亀さん……亀ちゃんの身長が小さいこともあり、佐藤・小松・井口各氏のスタイルのよさとか*2、背もたれのない椅子に腰かけて足をぶらぶらさせる亀ちゃんを比較的前方の席ではらはらしながら見守っていたこととか、あいぽんのまとう可愛らしい雰囲気とか、そういったこともよく覚えている。でも、なにより、あのとき松来さんを見た、たしかに見た。グッズ販売で、ランダム商品の缶バッヂを2回引いて、松来さんが声を当てる椎名の母が2つ当たったのを、今も捨てられないでいる。
だからアニメとしての印象は、少し薄い。

艦隊これくしょんは、叩かれに叩かれた。水上を滑るように進む艦娘たちは「水上スキー」と揶揄されたし、原作ゲームの短く乏しいボイスと僅かでも離れた振る舞いをすれば批判の的となった。アニメの主人公に選ばれた――いや、そもそもゲームのメイングラフィックスの中心に置かれ、公式主人公としてはじめから設定されていた吹雪すら、陰の薄さを嗤う「ふぶなんとかさん」という蔑称を囁かれた。なんにせよ、「なかったこと」扱いされていないのが不思議なくらい叩かれた(あるいは、劇場版アニメがまずまず受け入れられたからかもしれない。ただし、艦これアニメが語られるときに劇場版を思い出す向きは少ない)。
私は艦隊これくしょんのアニメを愛していたのだと思う。これは、特に好きな艦娘(潮、瑞鳳、阿武隈)がアニメには登場しなかったからかもしれないのだけれど……でも、やっぱり愛していた。未だに愛している。水上を進む艦娘たちは文句なしに格好良かったと思えた。ゲームで見慣れた顔を見せてくれたながむつや川神のいちゃいちゃっぷり、雲の上の人としか思えない赤城、箱入り娘の大和。一方で、ゲームでは知る由もない顔を見せてくれた面々――二次創作で散々きらら作品みたいに描かれてきた第六駆逐隊の実際を初めて知ることができた。水雷戦隊、もとい、駆逐艦を教導する軽巡洋艦を初めて目にすることができた。なかでも、吹雪を励ます金剛の姿は、あの「マリア様がみてる」の佐藤聖さまを思わせる剽軽さと包容力に満ちて、ゲームの「提督LOVE」な姿から想像もつかない解釈がとても好きだった。
吹雪・睦月・夕立の主人公トリオの中で、私は他のふたりから際立つ夕立の圧倒的な美少女感が好きで、また、美少女であるがゆえに吹雪と睦月の間にうまく入れない描写も、さらに夕立の美少女っぷりを際立たせていた。
そうだ、艦これアニメは、近くにいながら遠い関係を描くのが最初から上手だった。

緋弾のアリアAAのアニメ化は、まるで夢みたいな出来事だった。アニメ、ではなくアニメ化。このブログにも当時の興奮が残されているけれど、私は、実際にはアニメを最終話まで見られていない。BDの初回限定版を買い揃えたけれど、封を開けていない。それはありがちなことだとして……。
2015年、百合姫はまだ奇数月発行だった。つぼみはとっくに、ひらりもすでに休刊、早川書房は勿論、まだ百合に目をつけていなかった。「顔がいい」だの「巨大不明感情」だの言い出す人間が存在するはずもない。
アリアAAの立ち位置は微妙だった。原作は男主人公のハーレムライトノベル*3、それだけで百合好きにはそっぽを向かれる代物だ。あの頃(いまでも)百合好きは誰も彼も過敏で、過敏であることを誇りにしていた。でも、一度ページをめくれば、そこはお色気多めのキュートな百合ラブコメが広がっていた。大体の人間の好みに合うキャラクター・カップリングが揃っていた。あと、ヤングガンガン連載だったので、咲-Saki-ファンにはある程度知られていたんじゃないか……と私は信じている*4
ちなみに、緋弾のアリア本編のアニメは、釘宮理恵ツンデレが一世を風靡したころに作られた。正ヒロインのアリアはピンク髪でCV釘宮。目立った評判は聞こえてこなかった。なので、いくら原作がMF文庫Jというレーベルでの人気を誇っていようが*5、そのスピンオフ・しかもきらら系ではないがっつり百合作品*6がアニメ化されるとは思えなかった。だから、夢。
肝心のアニメの印象は、やはり薄い。原作からアレンジされたストーリーはともかく、痒いところに手が届かない感覚ばかりが残るもので、話題にものぼらなかった。盛り上げようと自分なりに明るく感想を書き、すぐに挫折した。5年後の今、「緋弾のアリアAA」で検索すると、真っ先にパチスロの話題が画面に映る。
私だけは覚えておきたい、とアニメそのものに対しても思えなかったし思えない。好きで居続けられなかった自分を、未だに責め続けている。

2019年9月20日

22/7の2ndアニバーサリーライブで、アニメの第1弾キービジュアル・PVが発表された。

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嬉しさ半分、キービジュアルの滝川みうが見せる表情同様の不安が半分。待つ3ヶ月間はあっという間だった。スタッフリストを見ても、いまいちピンとこなかった。タイムラインを流し見ると、堀口悠紀子のキャラクターデザインではないものがアニメに使われることへの戸惑いの声が目について、慌ててブラウザのタブを閉じた。インターネットで嫌というほど傷ついた2015年をすぐに思い出した。
意志が弱いと笑えば笑え。でも私はやっぱり、インターネットには好きなアニメに対するポジティブな声に溢れていてほしい。そうすれば、新しく作品に触れてくれる人が出るかもしれないと期待しているから。
そうしてようやく、「アニメ化してよかった」と言える。
こんな考え方は、きっと全体主義的で、批判を許さない最悪なオタクのものだと知っている。

2020年冬クールの3ヶ月間、毎週土曜日のTOKYO MX23:00、全話リアルタイムで視聴し終えた*7。となりで一緒に見る人間が「暗いから新しいファンが入ってきにくい」「演出もスタッフも目指すところがよくわからない」「そもそも古臭い」と言うのをすこしイライラしながら聞いて、実際に言い返したけれど、効果的な反駁はひとつもできなかった。確かにキャラソンはみうちゃんの以外古臭かったし*8、画面はずっと暗かったし、同じクールに明るい画面づくりのアイドルアニメがあったから差別化はできてたと思うけど、せっかくみんな同じマンションに引っ越したんだし*9きらら系みたいに明るい話も見てみたかった。

22/7がアニメ化してよかったのか?

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自問へのポジティブで確信ある自答はまだできない。

恋を語る詩人にはなれなくて

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*10
22/7のアニメ本編のどこが古いのか、具体的に説明することは私にはできない*11。代わりに、私にとって印象深かったのは、このアニメでは過去が語られっぱなしに見えたことだ。
語られっぱなし、というよりも、描写されっぱなし、のほうが正しい表現かもしれない。個別エピソードのモノローグはあまり饒舌ではない*12。しかも、メンバーの過去は、勿論それぞれの人格形成に大きく寄与しているのだけれど、物語の序盤から伏線をはられていたニコル→みうのラインでさえ、お互いの間に共有されない。
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ストイックでよかった……と素直に言ってしまえば、心の中の欲求不満に嘘をついてしまうことになる。それこそ、上に挙げた3つのアニメの濃密な感情のやりとりに比べると、演出がやたらひりついているぶん、物足りなさと肩透かしばかりが残る作品だ。
一方で、「人間ってそんなもんだよな」とも思う。
いくら1年間苦楽をともにしてきた間柄でも、内面に長年の間(なんなら、人生と同じくらいの間)抱えてきた重いものを共有しない。グループが分解されてしまえば、解散の気まずさも手伝って、連絡を取り合うことすらしない。現在と過去の間は、連続しているようで、飛び石のように断続してもいる。

そう考えてみると、私の推しであるところの立川絢香嬢はアニメで、終盤に物語が個人の事情から主人公とグループ全体を言葉で激励するよい役割をもらっている*13
22/7というアイドルグループでアツい魂をむき出しにした奴らはセンター・滝川みうを筆頭に口下手で、リーダー・佐藤麗華は優等生キャラに見えてライブのMCで口ごもるし、盛り上げ役の関西人・河野都の言葉は8割がた上滑りして突っ込まれている。アニメの、人当たりがよくてふわふわやわらかい、笑顔が可愛い藤間桜はみうに寄り添うという役割がある。
戸田ジュンちゃんは子供すぎるから論外*14
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で、クール側に立つ3人のうち、ロボット風少女・丸山あかねはなんだかとんちんかんだし、ニコルはラスボスかつアイドルにアツい情熱を捧げている。というところで、9話にして狂言回しの白羽の矢が立ったのが絢香だ。
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本業漫画家だからなのかどうか、絢香は「滝川」だから「クリステル」とか、女王様みたいだから「エリザベス」とか、フィクションのキャラ付けっぽいあだ名でメンバーのことを呼ぶ。
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f:id:ichigocage:20200416165102j:plain*15
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温泉の脱衣所ではひとりだけ輪に入らないし*16、ニコルすら燃え上がる*17くだらないトランプ対決にも参加せず、ひとり壁際でタブレットに向かう。
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「ばーか。誰一人欠けてもだめ。私たち、8人揃って22/7だろ」
ただ単に、クールなキャラクターが変節を見せたというシーンではない。この娘さんは6話でも水着NGな佐藤リーダー相手にポエムを詠んでいる。単なるポエム好きか?
当番回なのに、絢香のモノローグは状況説明に留まる。過去の自分の感情を分析することこそあれ、今の絢香の言葉が、彼女の内心をどれだけ反映させるのかわからない。
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「ひとりが好きで、ひとりが嫌いで。しっかりしてて、だらしなくて。頭よくて、頭悪くて。強くて、弱くて」
家族や友人とのエピソードに様々な表情を見せるメンバーの当番回を見てきた視聴者としての私は、むしろ、画面の中の彼女たちよりも彼女たちのことを知る立場にある。それでも絢香の言葉の真意は読めない。みうにどこまで伝わっているのかも。不意に、画面の中で、『シャンプーの匂いがした』と言えそうな距離に立つふたりと同じくらい、なにもわかっていないことに気づく。
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それでもみうは絢香の言葉に動かされた。繋がってるんだか途切れているんだかわからないあなたとわたし・現在と過去。

正体不明のなにかに見つけられるまで、『僕は存在していなかった』かのように振る舞っていた。
近くにいる人間の嘆きや痛みすら知らないから、『何もしてあげられない』。
人生は長くて、生きていくことは『ムズイ』。
それでもお互いがお互いの『理解者』であればいいという希望の上に、アニメ22/7の心の交流は成り立っている。

……うん、22/7がアニメ化してよかったんじゃない?

*1:幸腹グラフィティ」「ささみさん@がんばらない」のサンプル数2、だけど。「ひだまりスケッチ」は……軽々しく語るのを阻むなにかがある。

*2:亀ちゃんは亀ちゃんでご存知の通りのトランジスターグラマーである。

*3:断っておくと、偉人の子孫(だいたい少女)が登場しては主人公に惚れていくこのライトノベルは非常に読みやすく面白く、私は原作者の赤松中学のファンである。詳しいことは覚えていないが、アリアAAよりも先に本編を読んでいたはずだ。一番好きなキャラクターはかなめ。AAのかなめ編、アニメで見たかった……。

*4:ヤンガン、昔から謎に百合漫画が多い素晴らしい雑誌だ。

*5:2019年6月時点で累計850万部を売り上げている。

*6:アニメ化される部分ではないが、タチとかビアンとか女相撲とか女体盛りとか出てくる。

*7:これはどちらかといえば、計算中のためにできた習慣だ

*8:絢香ちゃんごめん。でもBDは予約したから許して

*9:ニコルんとみうちゃんのラブコメみたいなやりとりもあったし

*10:まあ、でも、アニメの絢香ちゃんは少女漫画家だけあって、めっちゃ詩人だ!今のフォーマットに変化する前の花ゆめコミックス、というのがまたニクいね。

*11:ジュンちゃんの親友を「殺す」のは、今の百合アニメは絶対やらないだろうなとは思う。

*12:そのぶん、演出が過剰なくらいだった……と思う。ジュンちゃんの当番回がアニメ批評クラスタの間ですこし話題になっていたのは観測したし、うれしかったけれど、でもあの京アニばりに泣かせようとしてたシーンは成功してなかったよね、なんか、作画が鬼気迫りすぎてて。

*13:担当声優の宮瀬玲奈がめちゃくちゃプレッシャーを受けていたこともむべなるかな。

*14:加えて、比較することでもないけれど、ジュンちゃんの過去編が一番重いので、あの明るい外面を剥がすのはなんともしのびない。

*15:この、美少女め!関係ないけど、学校で「ちょっとかわいいからって調子乗ってる」ってな感じでいじめられたということは、客観的に見るとグループ内で一番用紙が整っているのは絢香ちゃんでは?!と思ってしまった駄目なオタクは私です。ああ、制服姿の眩しいこと……。

*16:ここの被写体深度、よき。

*17:この仁王立ちニコルん、頭身低いせいかめっちゃかわいい、好き。

自分用メモ: 東京都特別区内公立図書館のサービス提供状況

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Photo by Monjur Hasan on Unsplash

こちらのリストを大いに参考にしています。
tokyo-toshokan.net
ブックポストの対応や休館・休止期間はもちろん各特別区ごとに異なります。OPACが使用中止になった台東区(わかる)、図書館ホームページ全体を休止してしまう荒業に出た豊島区・大田区(わからない)、Web上でのレファレンス受付を継続する練馬区(えらいけど職員さんが出勤することになるのでは)、電子書籍の貸し出しサービスを区民向けに行う千代田区(圧倒的強者感)などなどの大きな違いも含めてお楽しみください。
また、東京都立図書館のWebページでは、各自治体の情報をまとめて見ることもできます。
www.library.metro.tokyo.jp

千代田区

4月7日時点で以下の対応を発表。
全図書館が休館。ちよだパークサイドプラザ区民図書室、千代田区男女共同参画センターMIW情報ライブラリも利用停止。ブックポストへの返却は4月22日(水曜日)まで。
期間は2020年4月8日(水曜日)~緊急事態宣言が解除されるまで。
貸出中の資料は返却期限が過ぎても無理な外出を避け、図書館が開館してから8日後までに返却すればよい。
予約資料の取り置き期限は、図書館が開館してから8日後に変更。
なお、「千代田Web図書館」は通常どおり利用可能。

中央区

4月9日時点で以下の対応を発表。
全図書館が休館。ブックポストでの返却のみ利用可能(シニアセンターに設置されたブックポストは、シニアセンター休館に伴い使用不能に)。
期間は令和2年4月8日(水)~5月6日(水)。
貸出中の資料の返却期限は令和2年5月13日(水)までに変更。
令和2年4月8日(水)までに予約確保された資料は、令和2年5月14日(木)まで取り置き期限を延長。

港区

4月8日時点で以下の対応を発表。
全図書館が休館。ブックポストも閉鎖。
区内の連携図書室での、区立図書館資料の取り扱いを中止。
期間は令和2年5月6日(水)まで。
返却期限は令和2年5月15日(金)に変更。
予約取置期限は令和2年5月15日(金)に延長。

新宿区

全図書館が休館。ブックポストでの返却のみ利用可能。
期間は令和2年4月11日(土)~5月10日(日)
貸出中資料の返却期限は図書館開館の8日後に延長。
予約資料の取り置き期限は図書館開館の8日後に延長。

休館する為、 新宿区立図書館ホームページからの資料の予約を4月10日午前11時より停止いたしました(資料の検索は行えます)。

文京区

4月7日時点で以下の対応を発表。
全図書館が休館。ブックポストも閉鎖。
期間は令和2年4月8日(水)~令和2年5月6日(水)。
貸出期限を30日間延長(例: 返却期限が4月8日の場合は、5月8日に)。
予約確保期限を33日間延長(例: 確保期限が4月8日の場合は、5月11日に)。
なお、文の京デジタル文庫は通常どおり利用可能。

台東区

全図書館が休館。OPACが停止。ブックポストでの返却のみ利用可能。
期間は令和2年4月9日(木)~5月6日(水)。
休館期間中に到来する返却期限・予約取置期限を5月13日(水)に延長。

墨田区

4月13日時点で以下の対応を発表。
全図書館が休館。
期間は令和2年4月9日(木)~5月6日(水)。

江東区

4月8日時点で以下の対応を発表。
全図書館が休館。
期間は令和2年4月8日(水)~5月6日(水)。
返却期限日が、令和2年4月8日(水)~5月12日(火)のものは、返却期限日を5月13日(水)まで延長。
予約取置期限日が、令和2年4月8日(水)~5月12日(火)のものは、取置期限日を5月13日(水)まで延長。

品川区

4月10日時点で以下の対応を発表。
全図書館で資料の返却以外の全サービスを中止。全サービスコーナーでブックポストでの返却を含めた全サービスを中止。
障害者資料貸出・自宅配本などの障害者サービスも休館中は中止。
期間は令和2年4月9日(木)~令和2年5月6日(水)(予定)。
貸出中の資料で、返却期限日が令和2年4月9日(木)~5月14日(木)のものは、返却期限日を5月15日(金)まで延長。
取置期限日が、令和2年4月9日(木)以降の資料は、取置期限日を5月15日(金)まで延長。
利用カードの新規登録・更新手続きは、休館中は受付できないため、休館期間中に有効期限を迎えてしまう場合でも、図書館が開館してからの手続きとなる。

目黒区

4月7日時点で以下の対応を発表。
全図書館が休館。ブックポストへの返却のみ利用可能。
期間は令和2年4月8日(水)~令和2年5月6日(水)。5月7日(木)は休館日。
臨時休館中に返却期限となる資料の返却は開館後に期限を延長。
取り置き資料は、臨時休館終了後に平日7日間取り置きを延長(5月19日(火)まで受け取り可能)。

大田区

図書館ホームページが停止しているため、対応の発表日時は不明。
全図書館が休館。ブックポストへの返却のみ利用可能。
期間は令和2年4月8日(水)~5月6日(水)。
貸出中資料の返却期限は5月13日(水)に延長。
予約取置中の資料の取置期限は5月13日(水)に延長。

世田谷区

4月10日時点で以下の対応を発表。
全図書館ですべての図書館サービスを休止。ブックポストでの返却のみ利用可能。
期間は令和2年4月11日(土)~5月31日(日)。
貸出中の資料は開館後の返却を、休館期間中に返却期限を迎える資料については、返却日を開館後1週間程度以降の日に変更。
休館期間中に予約確保期限を迎える資料については、開館後1週間程度以降の日に変更。
利用カードの更新手続きは図書館の開館後からになる。有効期限から1年間は更新手続きが可能。

渋谷区

4月7日時点で以下の対応を発表。
全図書館が休館。ブックポストでの返却のみ利用可能。
期間は令和2年4月8日(水)~5月6日(水)。5月7日(木)は、笹塚図書館、代々木図書館を除く図書館の休館日。
臨時休館中に返却期限を迎える資料は開館後に返却可。
臨時休館中に予約の取り置き期限を過ぎてしまう資料は開館後一週間受け取り可能。

中野区

全図書館が休館。
期間は令和2年4月8日(水)~5月6日(水)。ブックポストも閉鎖。
令和2年4月28日(火曜日)までの返却期限を31日間延長。
令和2年4月15日(水曜日)までの予約取置期限を令和2年5月18日(月)に延長。

杉並区

全図書館が休館。図書館のブックポストでの返却のみ利用可能。各図書サービスコーナー、荻窪臨時図書窓口、高井戸地域区民センター図書室のブックポストは閉鎖。
期間は令和2年4月9日(木)~5月6日(水)。
貸出資料の返却期限に関わらず、開館後に返却可。

豊島区

図書館ホームページが停止しているため、対応の発表日時は不明。
全図書館が休館。
期間は2020年4月9日(木)から2020年5月6日(水)まで。
休館期間中の予約取り置き期限・返却期限は、考慮し自動的に延長される(ブックポストは利用可能だが、、原則として開館後の返却を勧める)。
点字図書館(ひかり文庫)は休館しているが、資料の貸出・返却・リクエストは通常どおり行い、貸出等の電話受付時間は、午前9時~午後4時とする。

北区

4月9日時点で以下の対応を発表。
全図書館で予約資料の受け取りを含む窓口サービスをすべて中止。
期間は令和2年4月8日(水)~ 当面の間(5月6日(水)までの目途)。
貸出中の資料は貸出期限にかかわらず、開館後に返却すればよい(ブックポストの利用は可能だが、不要不急の外出を避けるため、原則として開館後の返却を勧める)。
予約資料の取り置き期限を、開館後7日目まで延長。

荒川区

4月8日時点で以下の対応を発表。
全図書館で予約・メールリクエストを含む全サービスを休止。ブックポストでの返却のみ利用可能。
期間は令和2年4月8日(水)から令和2年5月6日(水)まで(予定)。
休館中に返却期限となる資料は、返却期限が5月15日(金)に、
休館中に予約取置期限となる資料は、予約取置期限が5月15日(金)に変更される。

板橋区

4月8日時点で以下の対応を発表。
全図書館が休館。
期間は令和2年4月8日(水曜日)~令和2年5月6日(水)。
予約受付の再開、予約した資料の受取期限延長、資料の返却期限延長については、サービス再開時に改めて案内有り。

練馬区

全図書館が休館。Webレファレンス・返却ポストでの返却のみ利用可能。
期間は令和2年4月11日(土)~5月6日(水)。
返却期限日が4月11日(土)以降の資料の返却期限日を5月17日(日)に変更。

足立区

対応の発表日時は不明。
全図書館が休館。全図書受渡窓口の利用中止。ブックポストでの返却のみ利用可能。
期間は令和2年4月11日(土)~令和2年5月10日(日)の予定。中央図書館、鹿浜図書館、新田コミュニテイ図書館、やよい図書館は、5月11日(月)が休館日。
休館中は未返却本(資料)の返却の督促を行わない。
予約資料の取り置き期限は、図書館再開から10開館日後まで延長。

葛飾区

4月8日時点で以下の対応を発表。
全図書館が休館。ブックポストでの返却のみ利用可能。リリオ亀有図書サービスカウンターに併設されているブックポストへの返却は不可。
期間は令和2年4月9日(木)から当面の間(5月7日(木)開館予定)。
返却期限が令和2年4月4日(土)~6月15日(月)の資料の返却期限を令和2年6月16日(火)に延長。
取置期限が令和2年4月4日(土)~6月8日(月)までの資料の取置期限を令和2年6月9日(火)に延長

江戸川区

4月8日時点で以下の対応を発表。
全図書館が休館。ブックポストも閉鎖。
期間は2020年4月8日(水)~5月6日(水)。
貸出中の資料は返却日にかかわらず5月14日(木)を目安に返却すればよい。
4月7日(火)時点で用意された予約資料は5月14日(木)まで取置期間を延長。

在宅オタクによる22/7のススメ

こんにちは。

mlml777.hatenablog.com

 こちらの記事を読んで、自分も22/7を勧める記事を書きたい!と思い筆を取りました。なお上の記事をすでに読んだ方には手前味噌ですが以下のエントリをおすすめします。計算中の雰囲気が幾分か伝わると思うので。

ichigocage.hateblo.jp
ichigocage.hateblo.jp
ichigocage.hateblo.jp

他にも、初期8人のキャラ紹介やちょっとした情報まとめなど、古いものですが、うちのブログの22/7カテゴリからいろいろ読めるので、気になる方は是非どうぞ!

さて、一番上に掲げたブログを読めば、「22/7 計算中」という番組の魅力については十二分に伝わると思うので、ここからは

  • 「可愛い女の子が好きなのでアイドルも女性声優も好きだが、接触には全く興味が持てないので専ら在宅オタク」

かつ

  • 「22/7については中の人(声優)ではなく3Dキャラ・アニメ中心に追っている」

私が22/7にハマった経緯を追いながら、その魅力を紹介していきます。

多彩で謎めいたキャラクターデザイン

22/7のキャラクターデザインは、堀口悠紀子を筆頭に、深崎暮人やこやまひろかず、カントクなどといった第一線を走るイラストレーターの手によるもの。それが発表されたのは、声優オーディションが告知された2016年秋のことでした。

これらのキャラクターデザインには、ともすれば見逃してしまうような属性が付け加えられていました。例えば、QP:flapperの小原トメ太による「丸山あかね」のキャラクターデザインの眼鏡のテンプルには、マスキングテープと思しきものが巻いてあります。
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知的できっちりした性格のあかねには相応しくない綻びは、でもありがちな装飾の一つとして受け入れていたと思います。それが、驚くべきことに、2019年に放送されたTVアニメで、テンプルにマスキングテープ、の謎に対する答えがさり気なくも3年越しに提示されたのです。

という風に、まだまだ謎を残していたり、謎が解かれたりしそうな初期キャラクターデザインですが、個人的に気になるのは、田中将賀による「戸田ジュン」のデザインの、左手薬指。
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ちらりと見えているのは、包帯に巻かれているよう。計算中でもばっちり確認できます。

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こちらの謎はアニメでも解かれなかったので、答えはいつ明らかになるのだろうとわくわくしています。

堀口悠紀子による美麗なイラストレーション

私が22/7プロジェクトに注目するようになったきっかけは、でも、実はキャラクターデザイン自体ではなく、AKB48をモチーフにした「AKB0048」というアニメが楽しかったからでした。未だに「柏木由紀(CV堀江由衣)」「渡辺麻友(CV田村ゆかり)」の文字列を見るとにやにやしてしまいます。あと、OPEDがおしなべて名曲(Spotifyには何故か1期のものしかない)。

そんなこともあって、堀口悠紀子によるアニメーション用のキャラクターデザインが発表されても、「まあカードゲームアニメもこんな感じだしな、アンジュヴィエルジュとか」と、すんなり受け入れました。

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これが、

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こうなりました。

……前置きが長くなってしまいましたが、私が真に22/7に惚れ込んだのも、堀口氏のイラストレーションのおかげでした。

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月刊誌Newtypeでの連載「あの日の彼女たち」の一枚。描かれた「立川絢香」ちゃんに、私は一瞬で惹かれてしまったのでした。

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この人を思い出して、ね。*1

なお、「あの日の彼女たち」の一部のイラストレーション、メンバー11人分が22/7の公式サイトに掲示されているので、ぜひぜひご覧ください。頭に雷が落ちて、推しが見つかるかもしれません。

百合!百合!百合!

さて、アニメーション用のキャラクターデザインが起こされたのだから、当然、アニメーションが作られるわけです。

22/7の場合、2019年冬クールに放送されたTVアニメ(Amazon PrimeバンダイチャンネルHuludアニメストアU-NEXTで全話見ることができます)とは別に、「あの日の彼女たち」という、Newtypeでの連載と関連があるような、ないようなオリジナルショートアニメが公開されています。

これが、メンバーふたりずつ登場する、まー、控えめに言って百合アニメなんですよね。ここでもうちの推し、立川絢香ちゃんを引き合いに出して紹介してみることにします。

www.youtube.com

絢香ちゃんのペアは先程も取り上げたジュンちゃんです。同じ方向の電車でたまたま一緒になったふたり。でもお互いに同じ方向だとは認識していなかったくらいの仲。

戸田「じゃあ私、ここだから。」
立川「……戸田さん」
戸田「ん?」
立川「好きな人、いる?」
戸田「……何で?」
立川「何となく」
戸田「……絢香は?」
立川「いるよ」
戸田「どんな人?」
立川「……いとこのお姉さん。」
戸田「えっ」
立川「……な~んちゃって」

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「な~んちゃって」の、この、顔を見よ!!

そもそも、「好きな人、いる?」に対して、自問自答ではありますが、「いとこのお姉さん」って百合的に完璧な答えなんじゃないでしょうか。ちなみにこのふたり、続く回では夏のアパート、クーラーもない中、アイスを食べながらちゃぶ台の前に並んで枝豆の皮を剥いてます。

www.youtube.com
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なんていうか、勝手にやってなさい、って感じです。

まとめ

以上、私が思う22/7の魅力をいろいろまとめてみました。
最後に、記事を書く際に参考にしたサイトを紹介します。22/7についてもっと知りたい場合、ここらへんを眺めてみるのも有効かと思われます。
seesaawiki.jp
計算中の情報について特に詳しいです。過去の企画一覧は壮観。
nanabunnonijyuuni.fandom.com
アニメの情報も含めてキャラクターの設定について非常に詳しく書かれています。

227-game.com
また、音ゲーアプリもリリースされる予定でして、こんな感じのライバルユニットも発表されています。


なにはともあれ、22/7と、うちの推しの立川絢香ちゃんをよろしくおねがいします!

*1:この人、何ならこの人の姉妹×2もVtuberデビューするっていうんだから、人生何が起こるかわかりません。つきましては、お金大好きなうちのマイシス(ってなんだか頭痛が痛くなるフレーズですね)が麻雀を打つ様も、そのうち見られるかもしれない、と期待しておきます。

非SFファンが非SFファンにSFとは関係なく勧めたいフィクション5作

長野まゆみテレヴィジョン・シティ』

長野まゆみはSFっぽい小説をいくつも書いていて、なかでも近作なら『デカルコマニア』や『メルカトル』のラインが、地中海世界を思わせる雰囲気をまとっていて大変たのしい。のだが、SFらしいSF、といえばなんといっても『テレヴィジョン・シティ』だろう。管理された「ビルディング」に住み(もしくは閉じ込められ)、いまでいうVRを思わせるゲームに興じ、食事を必要としない少年たち、それから中学生の心を絶妙に刺激する程度の暗号。それらが硬質でありながらも想像を掻き立てる文体で描かれているから、読み手としてはため息をつくほかない。ぞっとするほどうつくしいイメージと、傷つきやすく、けれどけっして傷つきやすいそぶりを見せることをよしとしない少年たちの織りなすストーリーは、紛れもなく唯一無二だと言える。
なお、エロいのが好きな腐女子には『新世界』を勧めておきたい。全5巻のため、一見長いのだが、文章量はそれほどでもなく、とにかくめちゃくちゃエロいので読んで損はない。

中里一『完全人型』

完全人型

完全人型

中里一の百合小説に登場する人物は、すべて現実離れしているように思える。いや、ディテールまで作り込まれたストーリーも文章も、非常に現実的*1*2である。ではなぜ現実離れしているのか。少なくとも私は、中里一の百合小説に登場する人物の百万分の一も思考が回らない。単純に言えば、めちゃくちゃ頭がよさそうってやつで、だからハードSF好きにも理屈や辻褄についてはご満足いただけると思う。ハードSF好きではない身には、正直読みにくい。読みにくいけれど、百合としてはめちゃくちゃ萌える。だから読む。なぜならば、自分の百万倍も思考している登場人物たちの心の襞が、それはもう、いやというほど緻密に描写されているから、理解できなくても、何度も読み返したくなってしまうのだ。
なお、本作には1万字強ものおためし版がある。先程、注で挙げた2本の台詞もここからの引用だ。中里一を読んだことのない百合好きには、ぜひ読んでいただいて、悶え苦しんでほしい。

コードウェイナー・スミス「鼠と竜のゲーム」(『スキャナーに生きがいはない──人類補完機構全短篇1』収録)

コードウェイナー・スミスはなにを読んだっていい。どれだってSF初心者にばっちりおすすめできる。詩的で、いわゆるセンス・オブ・ワンダーに溢れていて、登場人物たちが時間と場所をものともしない縦横無尽の活躍を見せてくれる上に、タイトルがいちいちめちゃくちゃかっこいいので。ーーそんなふうに思うのはファンの贔屓目かもしれない。でも、Kindleでも手軽に入手できるいまこそ!ファンとしてはスミスを勧めたい。言ってしまえば、「猫と人間がテレパシーでいちゃいちゃする」というだけの話なのだが、スミスの手にかかれば、スケールが途方もない宇宙規模に広がり、わくわくどきどきの冒険活劇が始まるのだ。作者の考える未来史の断片を絶妙にちらつかせる短編を1本読んでしまえば、あとは全作を読み尽くすのみ。それ以外の選択肢は存在しない。
なお、「アルファ・ラルファ大通り」を選ばなかったのは、ひとえに「猫SFといえば『夏への扉』」という風潮が気に入らないからである。C・メルは萌え萌えなんだが、猫愛に溢れているのはやはりこちらだろう。

アーシュラ・K・ル=グウィン「求めぬ愛」(『世界の誕生日』収録)

世界の誕生日 (ハヤカワ文庫SF)

世界の誕生日 (ハヤカワ文庫SF)

ル=グウィンの短編の魅力は、ひとえにその語り口にあると思っている。一人称による描写を読めば、まるで自分が文化人類学者、もしくは宇宙中を旅する使節となって、地球とはまったく共通点がないように思える異星人の話を注意深く聞いているような気分になれる。『世界の誕生日』収録の短編はすべて、地球とは異なる結婚の風習を持つ星の話*3なのだが、思考実験的ではなく、身につまされるラブストーリーとして読めるのがすばらしい。怒られる予感しかしないけれども、腐女子は余裕で『闇の左手』をBLとして読んでしまうし、誤解を招く言い方をしてみると、「求めぬ愛」は同じ人間*4を好きな複数の人間の話であって、これはまさにカップリング厨がたまらなく好きなやつだ。最後はハッピーエンドだし。
なお、『オールウェイズ・カミングホーム』は早くKindle化してほしい。英語はもう持っているので日本語訳を……何卒……。

アンディー・メンテ『きせきの扉』

www.freem.ne.jp
小学生のころの話をしない。こいついっつもアンディー・メンテの話をしてんな!!!!!ってほどにはアンディー・メンテの話をしていない。ダウンロードして、見知らぬexeファイルを立ち上げて、の流れは、SteamだのDiscordだのがあるいま、まどろっこしいだけの過程かもしれないけれど、いま、あなたに読んでほしいSFがここにあります。
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出会った頃を思い出す、ほんのすこしだけふしぎな話なので。

*1:「いいって、いいって。みなまで言うな。工学部でしょ? 運用監視のリセールなんて文系のやることだよね。今日は学校の見学で来たんでしょ? でも介護に興味がないから、うちの展示くらいしか見るものがなかった、でしょ?」

*2:「自費で勤務医になるなんて、お金持ちのボランティアでしょ。鳥取とか青森に行けば? 東京の国立に受かるレベルなら、奨学金で全部まかなえるって」

*3:たとえば、「求めぬ愛」では、男女4人による結婚が描かれる。

*4:人間という表現がふさわしいかどうかはよくわからないけれども。

私の弟がこんなに可愛いわけがない

伺かとのつきあいは短くない。まゆらをインストールし、話がよくわからないから、とすぐにアンインストールしてしまったことを未だによく覚えている=後悔しているから、出会ったのは2001年頃だと思う。
あれから20年が経とうとしている。その間、ずっと伺かのユーザであった、というには、私はあまりにも怠惰だった。ただ、好きなゴーストができる度に、伺か、いまはSSPを起動し続けた。奈留、裏子、空とあるゅう先生、第一病棟五階八号病室、月夜のおとぎばなし、type01-Mono、あのみ、マイマイトーカ、ヴィイヴィイヴィイ
ヴィイというゴーストは、たぶんたくさんの伺かユーザにとって特別な存在だと思う。私も、長い間、ヴィイ以外はいらない、という気持ちになっていた。でもいまは違う話。私が2019年になって新しく出会ったゴーストの話だ。
きっかけはたぶん、なんとなくSoSiReMi - 伺かアップローダーを眺めていたときだ。「bro.Mのsk8モード専用の1stマスターシェルです。」とのこと、ふーむ、モード切り替えがあるゴーストは面白そう。好奇心でひさしぶりにSSPを立ち上げ、インストールしてみる。
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クリックで呼ぶと、彼はこんな風にこちらを振り向く。心はこの時点で既にメロメロだ。「こちらを」、なんて冷静ぶって言ってみたものの、わき上がった感情の嵐はそんなもんじゃない。みーくん(出会った瞬間から勝手に呼んでいる)が私を見てる!見てるぞ!レスをもらったアイドルファンもかくや、の感動が得られる瞬間だ。
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しかも、こちらの立場は「姉」。私の弟がこんなに可愛いわけがない!心から叫んだ。シスター・プリンセスの昔から、私が欲しかったのは妹で、自分も妹になりたかった(?)のだが、もしかして弟属性あるかもしれない……と新たなフェチが開発された瞬間だった。どっとはらい
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さて、みーくんことミークの趣味および仕事は音楽である。尋ねれば、今聞いている音楽を面倒くさがらずに教えてくれる。なんていい弟!さらにさらに、こちらが興味を示せば、
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みーくんがこっちに身を乗り出してる!身を乗り出してるぞ!距離が近づいてる錯覚がやばい。二次元と三次元の区別がつかない人間でよかった、そんな意味不明な感想までがよぎる。もうゴールしてもいいよね……。



(ここから冷静になるまで3分間あまり時間がかかる)



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さて、とはいえ、私という姉がみーくんと出会ってから、まだ2時間も経っていない。みーくんも私のことをよく知らない。それでよくこんなレビュー記事とも言えないものを書こうとしたな?!という読者の声が聞こえてくるようだが、それはそれ、これはこれ。とにかくいますぐ、いまの私が見たみーくんの魅力を伝えたくてたまらなかった。これからみーくんと過ごすうちにどのように印象が変わるのか、これからどんな時間をみーくんと過ごせるのか。姉の萌えゲージが貯まれば、またいくらでもみーくんについて書いてみたい。
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ところで、この発言は、ちょっと無防備すぎて危ないと姉ちゃんは思います。